Octaveによる数値計算
数値計算の歴史はコンピュータの歴史と重なる。数値計算のための
ソフトウエアはこの間ずっと開発され続けてきた。したがって、
よいソフトウエアの蓄積がある。理工系の学生が実際的なプログラミングを
覚えるためには、このようなプロの作った道具を利用して数値計算の勘を
身につけるところからスタートするのがよいであろう。その後、FORTRAN、
C、C++などにより、学習のためのプログラムを作るのがよい。
プロの作ったオープンソースの数値計算言語として勧められるのが
Octaveである。Octaveは数値計算の知恵が凝縮しているともいえるLAPACK
などの数値計算ライブラリを基にして作られている数値計算用の
インタープリタ言語で、実に簡単かつ高速に数値計算結果が得られる。
Octaveのインストール
octaveは例えば Vine Linux1.1のVine PlusなどにRPMパッケージとして
収録されている。Debian Linuxのdeb形式パッケージやFree
BSDのportsパッケージもある。 ソースからインストールすることも容易であるが、この点については
後に説明することにしよう。
$ octave
とktermなどから入力すると、Octaveが起動して
octave:1>
とインタプリタが起動する。ctaveのオンラインマニュアルは、このコマンドラインから
octave:1> help -i
とする。 Octaveを終了するためには
octave:10> exit
とすればよい。
線形方程式の解法
行列方程式を解いてみよう。
$ octave
でOctaveを起動する。
octave:1> a=[2 3;5 6]
と入力すると、係数行列が入力される。一般にOctaveではコマンドの最後に
;をつけると、実行結果が表示されない。今の場合は;をつけていないので
a =
2 3
5 6
と入力結果が表示される。
octave:2> b=[3;5]
とすると右辺ベクトルが入力される。
b =
3
5 と表示される。これで、係数行列とベクトルが入力されたので、後はOctaveに
解かせるだけである。
octave:3> a\b
とすると解が計算されて
ans =
-1.0000
1.6667
と出力される。
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